病気の話

コロナ診療して、わかったこと

当院は昨年からコロナ対応の県指定医療機関になり多数の熱発者を診てきました。もちろん熱発者や風邪の方が皆コロナではなく、PCR検査したうちの約1割強が陽性でした。この発熱外来において実際のコロナ陽性になる患者さんを診ないとコロナの本質がわからないことを実感しました。巷では無症状のコロナ感染者が多いとも言われていますが、コロナ陽性になる方は、発熱・だるさを訴えて来院し、採血では白血球・CRPとも上昇のないウイルス感染パターンを示します。味覚・嗅覚障害があれば、ほぼコロナと考えて良さそうです。しかしコロナ診療の経験を積み重ねても、まだまだわからないことの方が多いのですが。クラスター発生が一番の問題なので我々医療者への感染には気を付けますが、マスク含めた十分な防護体制を整えて熱発者に対応すれば大丈夫なのは確かです。体育館のような広いスペースの端から端へ飛沫感染してしまうような麻疹ほどの感染力はコロナにはなさそうです。我々の診た熱発者のうち、手術を受けたりしたかかりつけ医である総合病院に連絡しても、コロナ疑いの患者さんは診れないと診療を拒否されて当院へ来られた方も何人かおられました。当然PCR検査してコロナが否定できてから、肺炎や腎盂炎などの細菌感染症に対する抗生剤点滴治療を行いますが、本来は我々のようなクリニックでなく、かかりつけ病院で対応すべきものと考えます。このような点では、通常あるべき診療体制を総合病院がとれない医療崩壊がおきていると言って良いかもしれません。今年はまだインフルエンザは流行っていませんが、例年のインフルエンザシーズンに多数の患者さんを診て対応してきた当院の診療体制を継続していくつもりです。コロナ含めて心配なことがあれば、気軽にご相談下さい