病気の話

新型(加熱式・電子)タバコに対する緊急提言

最近通常のたばこはやめたがアイコスなどの加熱式タバコにかえて吸っているという方が増えています。週刊誌などには色とりどりのきれいな加熱式タバコの宣伝が出ており、たばこを吸わない私でさえも1本ぐらい口にしてみたい衝動にかられます。ファッションとしての加熱式タバコが確立されつつあるようで、これだけ禁煙が叫ばれている中で、たばこが加熱式タバコに形を変えて生き残っていく様は恐ろしいものです。アイコス・グロー・プルームテックなどの加熱式タバコは、タバコの葉を使っている正真正銘のたばこです。加熱式タバコならば煙が出なくて周りに害を及ぼさず、吸う本人への健康被害も通常のたばこよりも減ると考えている方がおられますが、たばこの葉を使っている限りは有害物質を吸って周囲にもまき散らすことには変わりありません。2014年に世界に先駆けて日本でアイコスが初めて販売されてから、JTなどのタバコ会社の宣伝に乗って他の製品も新たに出て、新型タバコが普及してきている現状ですが、世界では新型タバコを禁止している国がほとんどです。従来のたばこと同様に全ての公共の場で新型タバコを吸うことを許すべきでないと日本呼吸器学会や専門家は提唱しています。さらにWHOも先日に「従来のたばこと同じ規制を」と声明を出しました。感染症などの病気と一緒で、流行ってしまったものを抑え込むのは難しいところです。たばこをもともと吸ってない方、禁煙できている方または従来のたばこを吸っているが禁煙を考えている方は、新型タバコの誘惑に負けないようにご注意下さい。当院からの緊急提言です。