病気の話

インフルエンザ患者さんへのあおばでの投薬の工夫

インフルエンザが大流行です。1月末の時点で昨年のインフルエンザ罹患総数を上回っているというデータも出ています。クリニックでもスタッフが一人インフルエンザにかかってしまいました。インフルエンザの予防注射はしていますが、それでも罹患してしまうほど、今年のインフルエンザの感染力は強いようです。クリニックとしてはきちんと診断して処方することを大前提にしていますが、インフルエンザが強く疑われるけれども検査で陽性とならない場合と、インフルエンザと診断されてしまった方にどのように薬を渡すかが大きな問題となっています。幸いクリニックには広い処置室、感染症隔離室と広い駐車場のスペースがありますので、高血圧や風邪などの一般的な患者さんとは接しないようなシステムをとれています。受付で必ず熱があるかきいて、熱があればすぐに個室などに案内しているため、待合室にインフルエンザの患者さんがいることがないように、一般的な病気の患者さんと接することがないように気を配っています。この時期は子供は熱発してもインフルエンザとは限らないため、インフルエンザ検査陰性では再診することが多いのですが、大人が熱発で来院した場合はまずインフルエンザの可能性が高いため、インフルエンザ検査が陰性であっても、患者さんと相談してタミフルなどの抗インフルエンザ薬を出すことはあり得ます。体調が思わしくないインフルエンザ罹患者には、1回投与ですむラピアクタという抗インフルエンザ薬の点滴もありますので、インフルエンザ治療の選択肢は広がっています。またインフルエンザ罹患者への薬の出し方の工夫としては、高血圧や風邪などの一般的な患者さんが薬局でインフルエンザ罹患者からウィルスをうつされないように、インフルエンザの方が薬局に行かないですむ方法をとっています。つまりインフルエンザと診断された患者さんは、クリニックの個室または個室に準じたスペースで、あるいは待機している車の中で、薬局のスタッフが投薬指導に来るのを待ちます。ここまで対策をたてているクリニックは他にはないのではないかと考えます。いつもの高血圧の薬のことで病院に行ったら、隣にすわっていたインフルエンザの患者さんにウィルスをうつされてしまったというようなことが、当院ではまず起こりえませんので、インフルエンザ流行時でも安心して外来にお越し下さい。