病気の話

アルコール性肝障害

久しぶりの医療記事更新です。
世の中に大酒のみは多数います。しかし肝機能が悪くなるのは、その中の一部です(ヘビースモーカーが全員肺癌になるわけではないのと同様)。
しかしお酒の弊害は肝機能が悪くなるだけではありません。酒に酔って周囲の方、特に家族に迷惑をかけることがある、それも何度も繰り返すことが問題になります。
日頃はおだやかな人柄なのに酒をのむと大暴れしたり、フラフラになって転倒して頭や足に大怪我をして救急病院にかかって傷を縫うことまであります。
うさを晴らすという言葉の通り、日頃の思い(うっぷん)を酒をのむことによって発散するのでしょうが、これでは周囲の者がたまりません。こんな状況がひどい場合は専門の病院に入院して長期的に断酒し、アルコールから完全に離脱を目指します。
しかし入院のつらい思いまでしても、再び酒に手を出して元に戻ってしまうのがアルコール中毒の問題なのです。
この様な方で肝機能が悪い場合には、当院では少なくとも週1回は受診して頂き、肝保護剤の点滴を行っています。
医師が病状をチェックして看護士が点滴をし、さらに受付のスタッフと言葉をかわすことで、「自分は治療を受けているのだ」という自覚が生まれて、お酒をセーブすることができるようになります。
受診期間があいてしまった場合にはクリニックから電話をして様子を確認し、再度の受診を促して元のペースに戻します。