病気の話

熱中症

いよいよ猛暑が始まりました。一昨年は熊谷市で40.9度まで上がり全国で猛暑が続きました。
猛暑といえば熱中症です。アスファルトの道路が増えるなどのヒートアイランド化の影響で1994年から熱中症が急増しており、暑さに弱い高齢人口の増加で特にお年寄りに多く発生しています。
乳幼児では車の中に放置されるなどの事故、若年者ではほとんどがスポーツでおこり、成人では工事現場などの仕事中やスポーツでおこることが多いようです。
埼玉県では梅雨明け翌日の7月18日以降に熱中症で死亡した人は24日までに少なくとも30人であり、うち22人が65歳以上の高齢者でした。
症状としてはめまい・立ちくらみなどの軽いものから、足・腹筋のけいれんや、頭痛・吐き気・判断力低下などの中くらいの病状のもの、さらに呼びかけても返事がない意識障害や過呼吸をおこす重症の熱射病まで様々です。
梅雨明けの蒸し暑い日など、まだ体が暑さに適応できていない時期はおこりやすいものです。
まずは予防が大切です。炎天下や暑い室内に長時間さらされないようにする。水分を適切に補給する。かさや帽子で直射日光を避ける、こまめに日陰で休むなど気をつけます。
大量に汗をかく場合には塩分補給も重要です。熱中症にかかったら適切な処置をしないと命にかかわります。
まずは次のような応急処置をします。
・涼しい場所へ運んで休ませる(風通しの良い日陰やクーラーの効いた室内など、本人が楽な姿勢で)
・水分補給(吐き気がない場合、少しずつ何回にも分けて)
・塩分も補給(水1リットルに塩1~2gをまぜた0.1~0.2%の食塩水または塩分を含むスポーツドリンクで)
・体を冷やす(顔や体にぬれタオルをあてたり水をかける、うちわなどであおいで風を送る、氷やアイスパックで冷やす)
・筋肉のけいれんではマッサージ
応急処置で回復しない場合や最初から病状が重い場合にはいち早く医療機関に運ぶことが必要です。
救急車を呼ぶこともありますが、その間も応急処置を続けます。
医療機関ではすぐに点滴をすることになりますが、大部分はそれだけで回復します。
私は暑い日中でもランニングをしたりしますが、自分が倒れないように十分に注意はしています。
また、午後から夕方にかけて外で遊んだ(暑い室内でも同様)あとの夕方や夜に熱を出して、翌日にクリニックを受診されることがあります。
咳などの症状もなく、かぜ?・寝冷え?と考えますが、その中にはこの病気も含まれることがあります。