病気の話
- トップページ
- 病気の話
インフルエンザの豚鳥騒ぎ
本年初めはアジア各地で広まって多数の死者も出している強毒性の鳥インフルエンザが話題でしたが、メキシコで発生してまたたく間に北アメリカに広まった豚インフルエンザが新型という名称をつけられて5月から日本にも上陸して、インフルエンザの話題はこちらの「豚」が独占している状況です。
「鳥」「とり」と言って騒いでいたのが、いつの間にか「豚」「ぶた」「新型」とすり替わってしまう、マスコミの洗脳力には恐ろしさを感じえません。
また毎日のように新型インフルエンザがニュースの話題になっていますが、今までの季節性インフルエンザが流行っても話題にならず死者が出てもニュースにもならなかったのに、なぜマスコミは新型インフルエンザばかり扱うのでしょうか。
確かに新型インフルエンザは今までの季節性インフルエンザが流行りえない夏場に広がってしまうという今までにない感染力を持っており、集団感染を次々に引き起こしているという問題があります。
しかし通常の季節性インフルエンザも夏場には流行しないという要素以外は全て備えており、脳症になってその後遺症に苦しんでいる患者さんが多数いるだけでなく、老人を中心として死者も多数出ており、十分にニュースになる話題と考えます。
当院でも5月~6月にかけて数人、8月以降今までに50人以上の新型インフルエンザの患者さんを実際にみています。
同じ埼玉県の中でも三郷市でのインフルエンザの流行は遅いようで、その中でも通常の開業クリニックとしてこれだけの患者さんをみているのは、どんな患者さんでも受け入れるという姿勢が評価されているものと考えています。
当院はクリニックのスペースが広いことと、感染症室を持っていることなど、インフルエンザが他の患者さんへ院内でうつることはまずないと考えています。
我々スタッフも自分達が感染してしまうという心配は常にしているのですが、日頃から養っている体力でインフルエンザなどの病気にかからないように気をつけているところです。
ところでインフルエンザ予防接種を受けてない者(子供達含めて)がインフルエンザ流行時にかからないことがあるのはなぜでしょうか。
私は松戸市の矢切地区にある矢切サッカークラブのチームドクターをしており、2年間続けてインフルエンザ予防接種をクラブの子供達(大人を含めて)に行いました。
松戸市でも昨シーズンは通常の季節性インフルエンザが大流行しましたが、矢切サッカークラブの子供達がインフルエンザにかかったという話をききません。
予防接種をしている基礎の上に、日頃から寒い中でサッカーを通じて身体を鍛えるという習慣ができていることもインフルエンザにかからない要因かなと考えます。